2023.08.26
ジョルダン株式会社【企業連携プロジェクト実習】 IoTシステムコースの学生へ直撃インタビュー
産業界と連携した実践教育を行う本学では、企業と連携した実習授業も数多くあります。
そのひとつ「ソリューション開発Ⅰ・Ⅱ」(情報工学科3年後期~4年前期)は、協力企業から提供される課題またはオリジナルの企画をもとに、ソリューションを考案しシステムを開発するPBL型の実習授業です。
※PBL:Project Based Learning・課題解決型学習
今年度は5社に協力をいただき、学生たちはチームに分かれてそれぞれのテーマに取り組み、最終報告会では様々なテクノロジーを駆使して開発したソリューションを協力企業へ報告しました。
※「ソリューション開発Ⅱ」の最終報告会の様子はコチラ
今回は学生チームの中から、全国の電車や飛行機、バスなどの乗換案内・経路検索で知られている「ジョルダン株式会社」のソリューションに取り組んだ学生にインタビューを行いました。
情報工学科・IoTシステムコース 4年 池部怜奈さん
◆今回の実習の概要を教えてください。
今回はジョルダン株式会社様より、「自社のデータを活用して新しいサービスを学生に考えて欲しい」という依頼をいただき、全4チームで取り組みました。
私はIoTシステムコースのチームリーダーとして、情報工学科の児玉先生をはじめ、全部で5名のメンバーと一緒にこのプロジェクトを進めていきました。
◆チームでどのようなサービスを考えましたか?
私たちのチームではまず、移動・観光・経路案内というテーマの中で今、ユーザが使用しているサービスで困っていることがないか、リサーチしながらアイディア出しや問題発掘などを行いました。
その中でほとんど方は、電車を使い慣れ、駅などでもほぼ迷うことがないように見えますが、実際は多くの方が迷ったことがあるとわかりました。
たとえば、
・改札口が多いので、目的場所へ行くのに時間がかかった
・東京から横浜まで何線に乗るかわからなくなった。特に私鉄・JRの乗換が難しい
・京王線から新宿バスターミナルに行くのに迷い、更にバスターミナル内で迷った
などです。
そこで、「利用者と同じ目線の道案内ができれば、利用者はスムーズに移動ができストレスなく目的地にたどり着けるのではないか」という発想から、今回新しい道案内のシステムを開発しました。
◆ユーザ目線を考えたサービス、とても魅力的ですね。具体的にどういったサービスなのでしょうか?
これまでの道案内は平面図で拡大縮小して見るなど、ユーザの方が使っていて見にくい時がありました。私たちは従来ある平面図ではなく、新しく動画を用いて道案内をする「ScanRoute(動画を用いたルート表示)」という新しいサービスを開発しました。
このサービスは道案内が必要な時にQRコードを読み込み、目的地を選択すると、経路を解説する動画が流れるといったものです。
迷いやすい場所に事前に座標を埋め込んだQRコードを置いておきます。ユーザの方はスマホでQRコードを読み込むだけで、目的地までの道案内動画を閲覧できます。経路を動画で案内することで、よりイメージしやすく、迷うことなく目的地に行けるようになると考えました。
◆確かにこれならスムーズに目的地にたどり着けそうですね。
基本的に経路案内サービスではGPSで取得した位置情報を活用していますが、例えば地下にいる場合など、ユーザの方の環境によってGPSが使用できない時もあります。このサービスではQRコードの活用により、特殊な環境でも高精度でわかりやすい道案内が見られるためとても便利なサービスだと感じています。
◆開発している中で何か問題点などはありましたか?
歩きながら動画をスマホで見る方がいると大きな事故につながる心配がありましたが、動画を流す前に歩きスマホに関する注意喚起の文字を表示したり、常に周りを見ながら移動してもらうよう、ユーザの位置情報を画面に表示したままにせず、ユーザがスマホで流れている動画と自分がいる場所を照らし合わせながら動けたりするような工夫をチーム全員で考えました。
また、動画をダウンロードする際にその場で滞留する方もいないか不安でしたが、QRコードを読み取ってから動画が再生するまでの時間を計測した結果、約30秒弱だったため、滞留するまでに至らないという結論に達しました。
◆チーム全員で意見を出し合って問題の解決方法を考えたのですね。このサービスはジョルダン株式会社にも発表したんですよね?
はい。実際にプレゼン資料をチーム全員で作成し、最終報告会で発表しました。
担当の方からは考えたサービスをより良くするための的確なアドバイスをいただき、実際のビジネスに携わる方々から頂いた意見は大変参考になるものばかりでした。
発表後、「ユーザにとっての価値をシンプルに実現した企画」というフィードバックをいただき励みになりました。
3年生の10月頃から約8か月間にわたってプロジェクトを進め、実務につながる経験を積み、改めてチーム開発の難しさや楽しさを学ぶことができました。
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