日本マイクロソフト株式会社 執行役員 常務 最高技術責任者(CTO)野嵜弘倫氏による「生成AI」の特別講義を実施しました
実務とつながる実践カリキュラムを実現した東京国際工科専門職大学では、各界のスペシャリストやパイオニアによる特別講義によって、世界や企業の最前線を学ぶ機会があります。
今回、日本マイクロソフト株式会社より執行役員 常務 最高技術責任者(CTO)の野嵜弘倫氏を特別講師にお迎えし、「生成AI」をテーマに特別講義を実施しました。
世界のテクノロジーを牽引するMicrosoftは、AI分野においてもOpen AI社とのパートナーシップを進めるなど、生成AIによる新たな可能性を生み出しています。
講義は、Microsoftの事業ポートフォリオの紹介に始まり、世界規模での事業展開、AIの沿革、生成AIがもたらしたイノベーションの加速、ChatGPTの特徴、生成AIの導入事例、AIの課題と今後の展望まで、アメリカでのご自身の体験やMicrosoft本社でのエピソードも交えてお話いただきました。
生成AIは、従来のAI基盤と異なり1つのモデルで様々なタスクに順応することが可能なため、誰もがAIを汎用的に活用できる時代になりました。特にChatGPTが1億ユーザに到達するのにわずか3カ月(携帯16年、インターネット7年、SNS4.5年)という信じられないスピードで、歴史的なテクノロジーシフトが起こっているとの説明もありました。
このように急速な勢いで広まる生成AIですが、一方で、著作権や倫理、セキュリティリスクなど様々な不安要素もあります。Microsoftでは「責任あるAIの原則」として、公平性や安全性などAI ガバナンスにも力を入れています。実際、たとえば同社のAzure AIは、瞬時に応答しているようでも、有害なコンテンツを分類した後に重大度を判断するなどして複数のレイヤーを介した上で最終的なアウトプットをしているそうです。
また、自動運転についても事例を挙げて紹介いただきました。早くからAI化が進んだ飛行機に比べ、車はまだまだこれからの領域。車のAI化によって、行きたい場所の検索からナビゲーションまですべてを自動で行なえる未来像についてもお話がありました。
講義後の質疑応答では、学生たちから積極的な質問がなされ、Microsoftの世界売上第2位の日本に対応した開発の実状についても触れていただきました。
DX(Digital Transformation)の先、AX(AI Transformation)が進んでいく時代、あらゆる業界や分野でAI活用は不可欠になってきます。技術のプロフェッショナルとしての鋭い洞察とグローバル企業の先進性に基づく今回の講義は、これからの時代に活躍できるデジタル人材へと成長していく学生たちにとって、将来に向けて貴重な機会になりました。
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