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2022.04.03
東京国際工科専門職大学3期生、2022年度 入学式を挙行
日本初「AI・IoT・ロボット」「ゲーム・CG」の国が認めた“実践的な新大学”として3年目を迎える「東京国際工科専門職大学」の2022年度入学式が、4月3日(日)に執り行われました。
インテル株式会社や株式会社スクウェア・エニックスなどからの祝辞も寄せられました。
ー学長訓辞より
学長 吉川弘之
1.おめでとう
東京国際工科専門職大学への入学、おめでとう。ご家族もお喜びのことと思います。皆さんが難関を突破して本学に入学されたことを心からお祝いするとともに、私たち大学で働く教員、職員のすべてが皆さんを歓迎し、これから共に過ごす4年間を楽しみにしていることをお伝えします。
本学は2020年の開学であり、その年に入学した人たちは上級生がいなかったのですが、3年目の今年はすでに二学年の学生が学んでいて、皆さんを新しい友人として歓迎しています。
ー来賓祝辞
インテル株式会社
執行役員常務 技術本部本部長
土岐 英秋 様
皆さんには、グローバルな視点で活躍できる人材になってほしい。自分の主張をきちんと相手に伝えていくこと。しかも国際的な現代社会で、言語や分野の異なる人に対しても上手に伝えていけるようになってほしいと思います。大学生活の中でこれを心がけながら、日々実践してください。
みなさんが世界の舞台でたくさん活躍できるよう、期待をしております。
ー来賓祝辞
元 トヨタ自動車株式会社 取締役副社長
元 米国トヨタ自動車販売株式会社 取締役社長
学校法人日本教育財団 理事 稲葉 良睍
理論と実践を両立しプロフェッショナルな職業人材を育成する専門職大学は、産業界の期待によって生まれたと言っても過言ではありません。
現代社会ではテクノロジーの進歩により、これまでの固定概念にとらわれない柔軟な創造力が求められています。これは自動車業界に限ったことではなく、産業界のどの分野においてもいえることです。
東京国際工科専門職大学の皆さんには、それぞれが目指す分野の専門知識に加え、国際的に通用するビジネスの感覚を身に着け、グローバルに活躍されることを期待しています。
また、社会課題の解決のために必要な知識やスキルを身につけた専門職人材として、これからの日本産業を牽引いただきたいですし、今ある産業にこだわらず、柔軟な発想で、社会をより良くするために新しいモノやサービスを生み出していかれることを大いに期待しています。
ー来賓祝辞
Director and CEO SQUARE ENIX LTD.(欧州子会社)
President and CEO SQUARE ENIX INC. (米州子会社)
Philip Rogers フィリップ ロジャース 様
皆さんの大学での学びは、今まさに始まろうとしています。実り多いこれからの長い人生を送るために、知識とスキルに投資することはとても大切なことです。技術の進歩により、我々は学び続けていかなければならず、そして、学び続けることで組織として前進し、人間として成長することができるのです。
特定の専門知識として「ハードスキル」はもちろん必要です。しかしそれだけではなく、コミュニケーション能力など個人の特性に関する「ソフトスキル」も重要であり、両方を保有していることが望ましいのです。
これから大学生活を始める皆さんに、それは精神的な柔軟性、機敏さとは何か、判断力とは何か、人に共感し人を励ます複雑なヒューマンスキルはどのようなものかを、じっくり考えてもらいたい。スクエア・エニックスは、皆さんのこれからに注目しています。
今までにない「理想の大学教育」を実現する本学は、世界のICT・デジタルコンテンツ業界と連携し、「AI・IoT・ロボット」「ゲーム・CG」分野でグローバルに活躍するデジタル人材を育成します。
学長訓辞 全文
1.おめでとう
東京国際工科専門職大学への入学、おめでとう。ご家族もお喜びのことと思います。皆さんが難関を突破して本学に入学されたことを心からお祝いするとともに、私たち大学で働く教員、職員のすべてが皆さんを歓迎し、これから共に過ごす4年間を楽しみにしていることをお伝えします。
本学は2020年の開学であり、その年に入学した人たちは上級生がいなかったのですが、3年目の今年はすでに二学年の学生が学んでいて、皆さんを新しい友人として歓迎しています。
本学は、このように新しい大学です。ただ新しいというだけでなく、現代社会が求めている能力を持った人を育てるために作られた専門職大学という新しい制度に基づいて設置された新しい期待を負った大学なのです。そして本学で皆さんが学ぶのは、情報です。情報の科学、情報技術、ですが、それを身に着けるだけでなく、それらを使って、社会をより良いものにしていくことを目指します。皆さんも現代が情報社会だということを実感していると思いますが、インターネットで知識を得たり、メールで通信したりするだけでなく、日常的な装置が皆計算機を持っていることも現代の特徴です。それは今、とどまるところを知らずに広がりつつあり、それはあらゆる産業、教育、芸術など広い分野で、また人々の日常生活にまで広がっています。
しかしいま日本は世界の情報化社会の流れに乗り遅れていて、社会の生産性も、職場環境も、元気が出ない状況で、国際的に後れを取っていると言われています。この原因は、情報技術者の不足であり、これを国を挙げて解消しようと考えていると思います。
例えば、デジタル化田園都市構想、公共サービスのデジタル化など多くの構想が国として描かれていますが、そのためには優れた情報技術者の存在が不可欠です。皆さんへの期待は大きいのです。
このような急速に展開する情報化が、ほんとうに人々にとって良いものであり続けることが大切ですが、技術の適用で常に問題になるように、弊害を阻止しつつ発達させてゆくのは情報専門職の大きな責任であり、皆さんはこれから本学で学び、社会に出た時その先頭に立って、善き情報化社会を作る仕事に就くことになります。そのために、専門職大学では技術を身に着けるだけでなく、人々が技術に対して持っている新しい期待を感じ取る力も身につけるのです。
2.大学が作る学問という知識
今社会はいろいろな変化が起きています。コロナの感染は世界中でまだ猛威を振るっており、すでに2年以上が経過しているのにまだ終わりが見えていません。もっと恐ろしいことに世界が戦争の危機にさらされることとなり、これからどうなるのかが非常に心配に状況となってしまいました。
こんなことを再び起こさないように、どのような社会を築いていくのかを考えることが必要ですが、このような状態を引き起こしてしまった原因として、私たちの知識が足りなかったことを深く反省し、これからどんな知識が必要なのかを考えることが今の人類に課せられた仕事であり、知識を作ることを使命とする大学の責任が大きいのです。
大学の長い歴史を考えると、それは人類に必要な知識を作り出してきたところであるという重要な役割を担ってきたことがわかります。その知識は、人類に安全と豊かさをもたらし、最近は地球の環境を維持しながら発展する持続性のための知識を含み、新しい知識を常に生み出しています。知識は大学だけでなく、研究所の研究や産業活動、また人々の生活の中からも大量の知識が生まれていますが、大学が作り出す知識は、それが教育の場であることから考えてもわかるように、時代を通じて受け継がれていく「学問」という知識であることが特徴です。それは一般の知識のように忘れ去られることなく、時代を通じて継承され、またそれは世界中のどこでも使うことができて人類全体に平等に役立つという特徴を持っています。またこの学問は、皆さんが今まで学校で学んだ多くの科目の基礎となっていて、人類共通の財産です。
3. 今、どんな知識が必要か
今どのような知識が必要かを考えてみ見ます。今の時代は混乱していて、そこには様々な時代の要請としての課題があります。一貫しているのは、私たちはより豊かでより安全な世界を作ることを願っており、そのためにはより多くの知識を作ることが要請されています。
一方現代を特徴づける困難な問題があります。今起こっているウィルスや戦争の恐怖よりも前から、多くの問題がすでに起こっています。環境の変化によって起こる温暖化を初めとする地球規模の災害、急速な経済成長に伴う格差の増大など、また国際関係の不安定化は何十年と続いています。日々進歩する科学の知識を使った新しい技術群があり、それは人類に大きな恩恵をもたらしますが、一方で産業競争を通して起こる資源の枯渇、エネルギーの不足、廃棄物の増加、などがあり、豊かになる努力が、新しい困難を引き起こしています。このような問題の克服も時代の要請です。
今までに成立した学問は、物理学のような基礎科学と、社会に役立つことを目標とする、医学や機械工学などの応用科学とがあります。しかし、ウィルスの害や戦争の恐怖をはじめ、地球温暖化などの現代の困難な課題をこの世から追放する知識が今までの学問だけからは得られないことを私たちは体験しています。したがって新しい学問が必要ということになるでしょう。そして誰がそれを作り、それを誰が学び社会に出て新しい課題に挑戦するのかが問題です。
4.専門職大学
私は新しい学問を作るのが専門職大学であり、それを学んで必要な専門知識を持って行動する人々が専門職大学から巣立ってゆく専門職だと考えているのです。
専門的知識を持った人ということになると、すでに伝統的な大学が700もあり、大学を卒業した人が社会に十分にいるのではないかと考えられますが、その人達は世の中を豊かで安全なものにするための重要な仕事をそれぞれの専門分野で果たす重要な役目を持っていますが、現代はそれとは違う仕事が必要なのです。それは専門分野を指定できない、現代に生まれてきた新しい課題をも解決するための知識を持つ新しい専門職が必要なのです。
新しい学問とは自然や社会とは何かを分析的に研究して理解のための知識を作っていくだけではなく、さらに進んでそれを使用する方法についての知識が非常に大切であるとして、「知識の使用」を課題とする学問です。私たちはこの知識使用の学問分野を「デザイン学」と呼びますがこれは建設途上の学問で、伝統的な学問領域で構成されている現在までの大学教育課程で学ぶことはできません。
東京国際工科専門職大学の教育課程は情報技術とエンターテイメント技術の専門職に的を絞っていますが、幅広く工科の科目、人間社会の科目、科目間の関係などを学びます。それをもとにして、社会が求めている新しい機能の創造や、困難な課題の解決方法を教員とともに考えることになります。その過程で、分野の違う人と協力することを経験し、企業での実習経験を通して、現実の作業を経験し、時代の要請を一人一人が自ら発見しそのためにどのような知識を、どのように使用するかを自ら意識しつつ解決方法に到達することを経験します。これは多様な知識を学ぶだけでなく、さらに自ら作り出し、それを使用して課題を解決することの経験です。
東京国際工科専門職大学はこれらを目標とする大学です。そこで多様な専門をもって教育する教員と、それを学習する多様な夢を持つ学生とが、実際の社会を動かしているこれも多様な事業に携わる人々、それは産業だけでなく行政、文化事業などですが、これらの人々の協力を得て、一つの共同体として目標に向かいます。目標は、災害や戦争のない豊かで安全な「善き未来を作る」ための知識を作り出すことだと言えましょう。今日の入学式の日は、皆さんが専門職に向かっての第一歩を踏み出す日であり、目標を以て新しい学びに取り掛かることを期待します。
【歓迎の辞】在校生代表 成田 凜
【入学の詞】新入生代表 情報工学科 横林 航弥
【入学の詞】新入生代表 デジタルエンタテインメント学科 甘田 渚紗
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