2021.09.10
日本の福祉工学の第一人者・東京大学名誉教授 伊福部 達先生による特別講義を実施しました。
日本の福祉工学の第一人者で「緊急地震速報チャイム」の作者としても有名な、東京大学名誉教授・北海道大学名誉教授・東京大学先端科学技術センター研究顧問の伊福部 達先生をお迎えし、オンラインでの特別講義を実施しました。
伊福部先生は、約50年の長きに渡り障害者や高齢者を支援する福祉工学分野を開拓。その研究成果は、「聴く」「話す」「見る」機能が弱くなったり働かなくなったりした方々の生活をサポートするシステムや機器、ロボット等に実用化されてきました。
NHKの依頼により作成した「緊急地震速報チャイム」も、聴覚に障害のある方や高齢者などにも聴こえやすい音になっているそうです。
(ちなみに、伊福部先生の叔父・伊福部昭氏は著名な作曲家で、あの『ゴジラ』の映画音楽も手掛けられました)
本講義では情報工学科の学生に向けて、人間の「目」「耳」「口」の器官の基本的な仕組みやその働きを助けるICT機器を解説しながら、技術の進化が人々の生活や人生を豊かにしていく意義深さまでお話しいただきました。
最後に、伊福部先生から未来を担う新しい人材である本学学生たちへの励ましのお言葉もあり、テクノロジーの進歩が人を助け、より良い社会づくりに確実に繋がることを学生たちも実感したようです。
新たなテクノロジーによって社会課題を解決できる人材“Designer in Society(社会とともにあるデザイナー)”の育成を行う本学では、学生たちの知見を広げる各界の第一人者による「特別講義」の機会を設けています。
■伊福部 達
工学博士。東京大学名誉教授、北海道大学名誉教授。 1971年北海道大学工学研究科修士課程(電子工学)修了、1989年北海道大学応用電気研究所(医用電子工学部門)教授、2002年東京大学・先端科学技術研究センター(バリアフリー分野)教授、2011年東京大学高齢社会総合研究機構・特任研究員(~2020年)、2015年北海道科学大学保健医療学部教授(~2017年)、2020年東京大学先端科学技術センター研究顧問。
専門は生体工学、福祉工学、音響工学。「聴く」「話す」「見る」機能を支援する福祉工学の研究に従事。
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