2024.05.21
名古屋鉄道株式会社社長 髙﨑裕樹氏と名古屋大学特任教授 森川高行氏による特別講義を実施しました
社会や実務とつながるカリキュラムを実現した本学では、各界のスペシャリストやパイオニアによる特別講義によって、日々進化するテクノロジーや最先端の技術開発の動向、新たなイノベーション、ビジネスの現場、社会が抱える課題など、他にはない多様性のある学びを得られます。
今回2年生の学生たちに向け、これからのモビリティ技術の発展とまちづくりの関連性について、名古屋大学 未来社会創造機構モビリティ社会研究所 特任教授・森川 高行氏と名古屋鉄道株式会社 代表取締役社長・髙﨑 裕樹氏をお迎えし、特別講義を実施しました。
森川特任教授は、「先進モビリティ都市名古屋に向けて」というテーマで、最先端のモビリティの開発状況や現在進行しているプロジェクト、現代社会が抱える課題などについてお話しくださいました。
続いて、髙﨑社長は「中部圏の地域づくりと名古屋のまちづくり」をテーマに、名古屋鉄道株式会社が取り組んでいる地域活性化に向けた施策とその課題を中心にお話しくださいました。中部エリアの特性を生かした、交通・観光・開発の「三位一体での地域活性化」を行なうことが重要であり、「街と交通機関が一体となり、より魅力的なまちづくりをしていきたい」と熱く語られました。
それぞれの講義には学生たちからの質問も相次ぎました。
森川特任教授の、次世代自動車の普及に伴う新しい道路課金制度の導入の必要性の説明に関しては「従来通行料は無料であった道路が有料化されることについて、どのように人々の理解を得るのか」という質問がありました。「本来、道路の利用には料金が発生するものだが、現在は税金などで道路の利用料を回収している。ITパワーで交通システムを革新し、街をクルマから取りもどそう。うまく管理すれば街は甦る」と車と人との共存が重要であることを強調されました。
● 鉄道は二酸化炭素の排出量が他のモビリティと比べて少ないことや、鉄道に乗ることで車に比べて一人当たりの空間使用面積が少なくなるという話を聞き、社会課題を解決するためのモビリティに関する観点がより広がった。
● 名鉄が手がける中部地区の随所の再開発計画は、交通機関とまちづくりの連携を考えた、かなりの規模の物であった。各地域の特性を活かすためにプロモーションの方向性をしっかり考えていることが印象深かった。
● 名古屋が目指す先進モビリティ都市のビジョンは、交通システムの革新を通じて、より持続可能で利便性の高い社会を実現することであると学ぶことができた。 CASE革命は、コネクティビティ、自動化、シェアリング、電動化という4つの要素を融合させ、交通の未来を作る大変興味深い革命である。
名古屋鉄道株式会社 代表取締役社長
髙﨑 裕樹 氏
1983年に早稲田大学商学部卒業。名古屋鉄道に入社。2012年から取締役に就任。2015年には不動産事業本部長に就任し、名鉄名古屋駅地区再開発計画にも従事。常務、専務を歴任し、2020年代表取締役副社長執行役員に就任。2021年に代表取締役社長に就任し、現在に至る。
名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所 特任教授
森川 高行 氏
1981年に京都大学工学部交通土木工学科卒業。1983年同大学院工学研究科交通土木工学専攻修士課程を修了。1985年米国マサチューセッツ工科大学大学院土木工学科へ留学。1991年名古屋大学助教授、2000年に同大学大学院教授に就任。2014年に名古屋大学未来社会創造機構へ異動し、現在に至る。