2024.07.01
敷島製パン株式会社(Pasco) 代表取締役専務 盛田兼由氏による特別講義を実施しました
社会や実務とつながるカリキュラムを実現した本学では、各界のスペシャリストやパイオニアによる特別講義によって、日々進化するテクノロジーや最先端の技術開発の動向、新たなイノベーション、ビジネスの現場、社会が抱える課題など、他にはない多様性のある学びを得られます。
今回、名古屋市に本社を構える敷島製パン株式会社(Pasco)より代表取締役専務 盛田兼由氏を講師にお迎えし、「PascoのSDGsの取り組みとIoT化、ロボット導入について」というテーマで、特別講義を実施しました。
盛田氏は少子高齢化が進み深刻な労働力不足に直面している日本において、企業が取り組むべき方向性についてわかりやすく説明をしてくださいました。敷島製パン株式会社は、さまざまな課題解決を行い、生産性の向上のために、パン工場の製造工程にAI活用や、IoT化、ロボット導入を積極的に進めています。
デジタル技術を学ぶ本学学生たちにとって、将来、IT業界のみならず幅広い業界業種で活躍の機会があることを実感し、実用性の高い最新技術の開発と応用の重要性を実践的に学ぶ機会となりました。
「持続可能な社会」に向けたSDGsに配慮した取り組みの事例紹介とともに、事業の方針を定める上で重要視されているという説明もあり、改めて、企業ならではの発想やイノベーションが社会課題の解決への貢献として期待されていることを学びました。
質疑応答では、学生たちから活発に質問が寄せられました。
●持続可能な社会に向けての取り組みを行っているという点が学びになった。食品製造業界においても高齢化などにより人手不足が深刻になっている現状にロボットを導入して、大きな労働力を確保していることがわかった。
●様々な企業で、AI化やIoT化を進め、IT人材がより必要になってくることに気づいた。情報化が進んでいく社会に順応できるように本学での学びにより力を入れたい。
●実用的な最新技術の開発においては、ソフトウェアの性能が良ければ良いというわけではなく、実際の現場での使用が可能かどうか、使用しやすいかどうかを検討してから計画しなければいけないという説明がわかりやすかった。
●AIの進化により、多くの産業で効率化が進む一方で、サイバーセキュリティのリスクが増大することを知り、そのバランスを取るための知識と対策が必要であることを実感した。
●4つのSDGs委員会で活動を進め、年に1回の報告会を実施するなどSDGsへの取り組みを真剣に取り組んでいることに感銘を受けた。
●発展途上国の学校給食支援をしているとの説明に驚いた。敷島製パンの「金儲けは結果である。食糧難の解決が開業の第一の意義であり、事業は社会に貢献するところがあればこそ発展する」という創業理念を忠実に守っていることが素晴らしいと思った。
●海外に事業を拡大する際には、その国の宗教や食文化のことをよく調べ、その国に適したものを販売しなければならないことを学んだ。
「最先端のロボットやAI技術を導入することに対し、社内から反対意見はないのか?」という質問に対しては、「新しいことにチャレンジしていく時には、当然のことながら現場から様々な抵抗があります。新たな技術を受け入れてもらうには、納得をしてもらうために丁寧に説明することや、受け入れ側のニーズを考えてメリットとなるように設計することが大切」と語られました。
“Designer in Society(社会とともにあるデザイナー)”の理念のもと、新しい技術やサービスで社会課題を解決する高度デジタル人材・DX人材を育成する本学では、学生たちの将来の糧となる各界の第一人者による特別講義を順次実施していきます。
敷島製パン株式会社 代表取締役専務
盛田 兼由 氏
1982年4月株式会社富士銀行入行後、1990年7月敷島製パン株式会社に入社。情報システム部長、企画室長兼情報システム部長を経て、1994年取締役就任。1995年から海外事業室長を兼務。
2001年常務取締役、2009年代表取締役専務に就任し現在に至る。
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