2023.08.23
村田製作所との産学連携実習! 「IoTシステム社会応用」の最終プレゼンテーションが実施されました
「企業×大学」「企業×社会」の実践教育を行う本学では、実社会を見据えたPBL実習授業がカリキュラムの中心です。
※PBL:Project Based Learning・課題解決型学習
そのひとつ、情報工学科・IoTシステムコースの「IoTシステム社会応用」(3年前期)は、企業とのプロジェクトを進める実習授業です。
今年度は株式会社村田製作所と連携し、大阪府の課題解決に村田製作所の磁気センサを活用するなど、様々なIoTソリューションの開発に取り組んでいます。
学生たちは7つのチームに分かれ4月から実習がスタート。株式会社村田製作所や大阪府の担当者の方々による特別講義や様々なアドバイスを頂戴しながら開発を進め、今回実習の集大成として、最終報告会が実施されました。
※株式会社村田製作所の特別講義の様子
※大阪府スマートシティ戦略部の特別講義の様子
学生たちは、前回の中間発表会で井上氏や教員からアドバイスされた課題点の分析や克服に取り組み、代替案の策定・検証、UI(User Interface)の改善、システムの精度向上など、実際のエンジニアが行う開発に類似する過程をたどりながら、最終のプレゼンテーションを行いました。
来校された村田製作所の井上毅彦氏(機能デバイス事業部 開発2部 開発3課)も、各チームの発表に熱心に耳を傾けてくださいました。
■各チームのシステム概要
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①電車の混雑状況をリアルタイムで把握し利便性を向上させるシステム。
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②扉や窓の鍵の開閉状態を確認できるシステム。家の窓や扉にセンサーと磁石を取り付け、
ユーザーが家にいなくても鍵の状態を確認可能に。
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③観光客向けのバーコード決済アプリ。ユーザーが目的地への移動を円滑に行うことをサポートする機能も。
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④犯罪や自転車の危険運転、通学路の犯罪、事故防止を解決するため、防犯カメラのIoT化によるデータの活用を目指す見守り防犯カメラシステム。
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⑤ケガ人,皮膚系の患者を対象に、病院受診前のオンラインでの医療診断サービスのシステム。
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⑥周囲の静かでリラックスできる場所(空間)を探せるWebマップの開発。音量測定、静かな場所をM5Stack Core2センサーが検出、ユーザー現在位置をGPSで取得しルート案内。
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⑦“不便益マーケティング”を用いた観光促進アプリ。店舗や観光地にビーコンを設置、ユーザーが近づくことで情報を発信、あえて不便な体験で刺激を与え自発的な観光を促す。
各チームの発表に対し、他のチームの学生から鋭い質問が飛ぶ場面も。
そして、指導にあたった味戸学部長、安藤准教授、安田准教授からは、「使いこなす部分にまで踏み込んで発表できていて良かった」「IoTは手段であって課題にどう取り組むか。課題を見つける力も大事」「大学生目線でのITコンサルティングができていた」「今の苦労は将来エンジニアとして仕事をするためのいい経験、財産になるので、どんどん苦労は買って欲しい」などのアドバイスがありました。
また、村田製作所の井上氏からは、「実務の視点から見てもすごいシステムになっている。次の取組みにつなげてほしい」とのメッセージも頂戴しました。
引き続き後期では「IoTサービスデザインビジネス応用」の実習授業で、実装を視野に入れたより高度なシステム開発を目指します。
<授業のテーマ>
地域が抱える課題をテーマに、通信ネットワークを活用したより応用的なIoTシステムのチーム開発を行う。複数のセンサ・アクチュエータ・ノードが様々な通信ネットワークでつながり、クラウド等のITインフラを利用したIoTシステム開発に関する基礎的知識と経験を獲得するために、アイディア創成から実稼働・プレゼンまでの一貫したプロトタイプを制作。
<授業の概要>
「IoTシステム開発実習」の経験を活かし、地域における介護業、旅行業、交通業などの企業が抱える課題や地域産業の活性化に資するテーマを設定し、課題解決のために利用可能なIoTシステムを開発する。本実習では、IPネットワークを用いてアクチュエータを動かすエッジシステム、ユーザインタフェース機能を持つスマートデバイス、サーバ・クラウドの要素が多地点間で連携した、より実用的なシステム開発を行う。アイディア検討から開発、実装まで行う上で、システム機能の目標設定とその検証、開発を効率化できる様々な開発ツールの選定を行うとともに、プロジェクト終了時にプロセス評価を行い、改善効果を評価し、開発の方法論を習得する。
なお、本実習は、教育課程連携協議会の協力のもと、地域の課題を抱える自治体、団体等からの意見を受け、開発対象とする課題を設定するとともに、協議会委員もしくは課題に関わる関係者により、開発システムに対する評価を受ける。
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