カナダ・ブリティッシュコロンビア州政府在日事務所の中筋智子氏による特別講義を実施しました
本学では実践的な学修が中心となる一方、国際的に活躍できる人材を育成するために英語コミュニケーションや国際関係、ビジネス、マネジメントなどを学ぶ科目や特別講義など、学生が海外の実情を学べるような機会を多く取り入れています。
今回、カナダ・ブリティッシュコロンビア州(以下BC州)政府在日事務所の中筋智子氏を特別講師にお迎えし、「カナダ・ブリティッシュコロンビア州のテクノロジー産業」をテーマに特別講義を実施しました。
中筋氏はBC州企業の日本市場参入(貿易)およびBC州で投資での子会社の設立の支援に尽力されています。BC州の企業が日本でビジネス・パートナーや顧客を見つけやすくするために、市場情報の提供や両社のコミュニケーションの手助けをしたり、投資家に現地の業界関係者を紹介したりして米国でのビジネス発掘を促進させるなど、国際的に活躍されています。
- ①Strategic Location & QOL (戦略的立地とQOL)
- ②Technology Supercluster & Ecosystem(テクノロジー・スーパークラスター&エコシステム)
- ③Fast-Growing Sectors & Companies(急成長セクター・企業)
- ④Diverse Supports and Programs(多様な支援とプログラム)
〈特別講義の実施と今後に向けて〉
今回の特別講義では、BC州の立地と環境の視点から、テクノロジー産業の発展についてお話いただきました。BC州は世界各地の都市部と接続しやすく、かつ短時間での輸送ができる「戦略的土地」と紹介されました。
BC州最大の都市はバンクーバーです。世界的に見てもその立地の良さは、CNNやNYタイムズで「世界で最もフレンドリーな都市のひとつ」「北米のどの都市の代わりにもなれる都市」と称賛されるほど。加えて、その住みやすさから、QOL(=Quality of life)都市ランキングでは世界3位にランクインしています。また、カナダは日本人学生の留学先としても1位になるなど、安全性や文化的・教育的な魅力も評価されています。
続けて、中筋氏はカナダ政府がBC州の主要産業に力を入れていることも話されました。AI、AR、VR、メタバースの導入による産業の改革や、バイオ・ヘルス分野への活用、インフラ分野のデジタル化によるスマートシティの実現などを行っているそうです。
他にも、ビデオゲームやエデュテインメント(遊びながら学ぶ)製品などのデジタル製品や、研究開発・実験にかかる費用の税額が税額控除の対象になるなど、全体的に主要産業に対する政府の支援が手厚いようです。その支援を受けて、BC州は量子コンピューター産業やAI、VFXやアニメーション、ゲーム開発やeスポーツなどが急成長しており、確実に地位を固めていると解説されていました。
質疑応答の時間には学生たちから積極的に質問もなされ、講義後には多様な感想が寄せられました。
・世界ITの支柱であるバンクーバーは日本よりも情報化が進んでいると知った。今回話にあった、「業界の垣根を超えて技術を使っていく」というカナダが推進しているアイデアは、本学の教育方針にも通ずると感じた。将来はグローバルで活躍できるように英語も学業も頑張りたい。
・BC州のAI産業が、様々な分野にいち早くソリューションを提供していることを知った。自分も社会で効率よく問題を解決できる人材になるために、さらに勉強する必要があると思った。
・州をあげてゲーム分野へ取り組みをしていることが興味深かった。今回の講義を受けて、カナダで行われる実習がより待ち遠しくなった。
・ブリティッシュコロンビア州の環境の良さについてよく理解できた。日本で働くのもいいけど、新しい価値観を持つために海外で働くことも選択肢の一つであると思った。
・今回の講義の中で特に印象的だったのが、行政による産業の保護が手厚いこと。税金の面で映画産業は優遇措置が取られており、しかもそれが結果につながっていることは素晴らしいことだと思う。
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