2024.05.28
BuzzFeed Japan株式会社Senior Business Advisorの井股進氏による特別講義を実施しました
実務とつながる実践カリキュラムを実現した東京国際工科専門職大学では、各界のスペシャリストやパイオニアによる特別講義によって、世界や企業の最前線を学ぶ機会があります。
今回はデジタルエンタテインメント学科の4年生を対象に、アメリカのグローバルメディア企業BuzzFeedの日本版としてコンテンツを配信するBuzzFeed Japan株式会社のSenior Business Advisorである井股進氏を特別講師にお迎えし、「米国コンテンツ産業の現状とチャレンジ⇒日本の可能性」をテーマに特別講義を実施しました。
井股氏は2021年まで、世界最大級のユース向け音楽&エンタテインメント・ ブランド「MTV」を運営するバイアコム・ジャパン(現パラマウント・グローバル・ジャパン)の代表取締役社長を8年間務められました。それ以前はFOX TVの取締役副社長を9年間務めた経験もあり、アメリカの映像産業に精通しておられます。
講義では、パラマウント映画、Disney+、Netflix、Amazon Primeなど、様々なコンテンツ産業の変遷や実状、そして、日本のマーケット、日本発コンテンツの海外展開など、エンタテインメント業界のグローバルな動きを解説いただきました。
また、新卒を日本企業からスタートし海外へと活躍の場を広げたご自身の経験をふまえ、チャレンジ精神とキャリアデベロップメントの重要性についてもお話しくださり、学生たちは強い関心を持って講義に聴き入りました。
国内外で挑戦を続けた井股氏は、学生たちに向けて、テクノロジーが進化し、誰でもコンテンツを発信できる時代になった今、自身の作成したコンテンツを世界へ流通させるチャンスがいくらでもあること、このチャンスを逃してはならないとのアドバイスも。
また、人生の転機はいつ訪れるか分からないが、それまでに学んできたことは必ず活きるので、今後も学びながら常に挑戦し続けてほしい、と学生たちにエールを送ってくださいました。
井股氏の講義に多くの学生が刺激を受け、質疑応答の時間も盛り上がりました。
【質疑応答から(一部抜擢)】
・良いコンテンツとはどういったものか。
クリエイターから見て良いコンテンツでも売れないものもある。忘れられがちだが、たくさんの人に面白いと思ってもらえて、見てもらえるものが良いコンテンツと考えられる。
・たくさんの人に面白い、見てもらえるものはどんなものか。
リメイクや続編などで収益を確保しているところもあり、正直今はヒット作をつくるのが難しい。コンテンツが増えており、その中で勝っていくことも難しい。そのため、創るだけでなくどう売り出すのかなどマーケティング、プロモーションが大事になる。
・日本の配信サービス企業と外資系の違いは何か。
米国はトップダウン形式で、株主の反応を見ている。3カ月に一回株主へ現状を報告し、かなり厳しくフィードバックをもらう形が多い。その分、スピードは速い。一方で日本はボトムアップ式で、どちらがいいかは捉え方次第。
グローバルプロフェッショナルへと成長していく学生たちにとって、最前線で活躍する井股氏の講義は将来につながる貴重な特別講義となりました。
・良いコンテンツの定義づけは難しいが、ユーザーから支持される最高なコンテンツを目指すことに意味があると感じた。自分がクリエイターを目指す上で重要な考えになると思う。
・メディア界の現状や将来性について理解を深めることができた。
・日本と海外でのコンテンツ事業の展開の違いに驚いた。
・様々なコンテンツ事業のマーケティングの成功例や失敗例を知ることができて、大変勉強になった。講義を聞くまでは日本のコンテンツ事業はマンネリ化していると思っていたが、まだまだ伸びしろがあることを学べた。
・日本はアニメIPが強く、海外のコンテンツを介入させたくても苦戦する話をお聞きし、自国のコンテンツ力の高さを認識できた。世界中に届くような良いコンテンツを創りたい。