2022.07.26
AI研究の第一人者・東京大学大学院 松尾豊教授による特別講義「人工知能の活用と未来」を実施しました。
本学情報工学科1年前期の職業展開科目「情報工学概論」において、日本のAI(人工知能)研究の第一人者として研究開発のみならず人材育成・社会実装にも力を入れる東京大学大学院工学系研究科の松尾豊教授をお迎えし、オンラインでの特別講義を実施しました。
講義の前半はAIの歴史から現状、AI分野の人材育成を中心にお話しいただき、後半は人間の知能についての最新研究や深い洞察、AIの未来展望など踏み込んだ講義内容となりました。
AIを約25年も研究し続けている松尾教授は、2017年に日本ディープラーニング協会を設立して理事長に就任するなど、AI分野でも特にディープラーニング(深層学習)を重視されています。様々な産業や分野にディープラーニングが活用されたり、また、新しいビジネスモデルを生み出したりして社会の発展に著しく貢献している一方、まだAIが人間の頭脳の域に完全に達していないことから多くの課題と可能性があるとされています。
講義終盤では学生たちの熱意に応えるかのように、まだあまり外部に発表していない最近の研究内容についても話が及びました。松尾教授は現状のAIの限界を打破するために、人間の脳、意識、人類の進化、哲学の関係性を整理・解明していきたいとのことです。
松尾教授の講義に刺激を受けた学生との質疑応答もあり、学生たちはAI研究の最前線や社会活用、未来について直接講義を受けられたことで、モチベーションを高め今後の学びを深化させるヒントを掴む貴重な機会となりました。
東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター
松尾豊 教授
1997年 東京大学工学部電子情報工学科卒業。2002年 同大学院博士課程修了。博士(工学)。産業技術総合研究所研究員、スタンフォード大学客員研究員を経て、2007年より、東京大学大学院工学系研究科准教授。2019年より、東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター/技術経営戦略学専攻 教授、現在に至る。専門分野は、人工知能、深層学習、ウェブマイニング。人工知能学会では、編集委員長、倫理委員長等を務め、2020年から理事。2017年より日本ディープラーニング協会理事長。2019年よりソフトバンクグループ社外取締役。2021年より新しい資本主義実現会議 有識者構成員。