情報工学科ロボット開発コース4年 小林洋二朗さん 卒業研究

4年生の「卒業研究制作」では、各学生が自ら設定したテーマにそってテクノロジーを活用した社会課題解決に取組みます。
今回、情報工学科ロボット開発コース4年 小林洋二朗さんは、メカトロニクス・ロボットのプロフェッショナルである西田麻美准教授の指導のもと、東京慈恵会医科大学との共同研究を行いました。
■テーマ
「体感型の教育訓練を目的とした整形外科手術トレーニング支援システムの提案」
・研究の背景
ベテラン医師の優れた技術は卓越した職人技のように微妙な部分もあり、若手医師に伝えるのが難しくなかなか上手く引き継いでいけないという医療現場の課題があります。そのため、その微妙な部分、たとえば力加減などをデジタル技術を使って数値化し、若手医師の研修に使用できるようなシステムを開発することが今回の目的になりました。
研究を進める中、東京慈恵会医科大学医局での実験や検証、また学会発表も行うなど、貴重な経験となりました。
■東京慈恵会医科大学でのデータ取得や実験など
場所:東京慈恵会医科大学の医局。
小林さんが開発しているセンサを器具にとりつけて名医からデータを取得している様子を撮影しています。周囲にいるのは、機材を提供してくださった京セラ株式会社の方、名医の後ろにいる方は、共同研究者としてのもう一人の医師です。2名の医師からのデータの差異を考察してます。


また、京セラ株式会社からお借りした試験機で、医療用器具の実験も行いました。

■学会発表
第6回日本再生医療とリハビリテーション学会学術大会— 線と線を繋ぎその先へ —
場所:埼玉大学
会期:2024年10月26日(土)
主催:日本再生医療とリハビリテーション学会
https://robotics.ees.saitama-u.ac.jp/jsrmr2024
詳しい内容はこちら




情報工学科ロボット開発コース4年 小林洋二朗さん
【研究内容】
人口関節置換術の手技
力加減の部分を数値化・可視化する研究
【研究を通して】
初めての経験が多く挑戦でした。病院の先生との打ち合わせや医療メーカー、模擬骨を使ってのデモンストレーションなど、今まで触れたことのない分野でのとまどいがあり、医療用語がわからず一から説明してもらうこともありました。
また、プロトタイプの製作においては、相手の求めるデータと、提供したシステムから取得できるデータに相違があり、やり直すことも。必要なデータを取るための装置の開発のため、何度も思考錯誤を繰り返しました。東京慈恵会医科大学の医師や大学院生の皆さんだけでなく、医療工学の専門の先生からのアドバイスを通して打開策を示していただき進めることができました。
本学の西田先生からは大学院レベルの研究と言われていて、ハードルはありましたが、西田先生をはじめロボット開発コースの先生方の全面的なサポートもあり、外部との共同研究でも安心して取り組むことができました。
また、学会発表という貴重な経験もでき、準備は大変でしたが、本当に楽しかったです。その後、西田先生が学会で知り合った医療関係企業の方が本学を訪問してくださり、打合せに同席させていただけたので、医療現場の最前線の技術や課題を知る機会にも恵まれました。
今回、数々の経験をできたことで、今後就職して実際に会社で装置やシステムを作る際に開発者として大切なことにも気づく機会となり、良かったです。